18

かくして

数日間とはいえ

私たちは日本を離れた。



南風が冷たく

北風が暖かい場所。



お互いの趣味や趣向が違うから

日程を二分割した。

半分は

彼女の行きたいところ・やりたいことに付き合う。

もう半分は私に合わせてもらう。



○○





起こることすべてが

楽しかった。

彼女と私は小さいことでもゲラゲラ笑い

良く動いた。

少しの日数で

クタクタになるほど動き回った。






仕事のストレスから解放されて

朝から晩まで二人きりで



彼女の希望で

動物を見たり

ひたすらショッピングしたり


私の希望で

森を散策したりした。





ここまで密に二人きりになることは

さすがに初めてだったけれど

まるで昔からそうしてきたかのように

二人の時間はごく自然に流れていった。




笑いが絶えなく

空気や

音や

におい




すべてが心地よかった。





彼女にとって旅行が負担とならないように

私は気を配り続けた。

荷物を持ったり

ホテルでバスタブに湯を張ったり

コーヒーを淹れたり

料理をオーダーしたり


でもそれがまったく苦にならなくて

内心苦笑した。



自分がここまで甲斐甲斐しいとはなぁ。

元彼にだって一度も尽くしたことないのに。



彼女のためにはなんでもできる。

すきだから。




○○