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彼女は、今、休みをとって旅行に行っている。
前述のとおり旅行嫌いな彼女。
であるが、、、
今回の行き先はなんと、あろうことかヨーロッパ。
ある日に、会社で仕事中、彼女からメールが届いた。
「○○ちゃん、私、海外旅行いくかも。」
‥え〜〜〜?!あれだけいやがっていた海外に〜?!
私は内心シットした。
すなおに反応できなかった。
誰と行くかも聞けず。
同性として、女の子の友達と行くのもちょっとシットするし、(当時まだ続いていた)彼氏と行くならもっとショック。
あ〜私ってなんてわがまま。
それから何日かして、彼女から話された。
高校時代からの友達と行くと。
その子のことは知っていた。彼女の話に何回か出てきていた。
‥‥よかった彼氏じゃなかった。
私は内心本気でホッとした。
情けないなぁこんなことで動揺するなんて。
その一週間後くらいに、私は彼女から、彼氏と別れたことについて聞くのであるが。
そんなこんなで、彼女は欧州へ旅立った。
そもそも彼女を本当に<大切だ!>と思ったのも、2年前の、彼女の夏休み中のことだった。
そばからいなくなることで、本心がわかってくるものなのかもしれない。
彼女が出発するのは日曜。
さすがに前日は会えないから、金曜の夕方、会社で、「出発前に電話するね」と言った。彼女は「うん」と言った。
同じ課の先輩が、「旅行の前に電話するとかいって、まじ彼氏みたいじゃなーーい?!」とか言ってきゃーきゃー言ってた。
彼女は「うん。カレシみたい。」と小さくつぶやいた。
私は何も言えない。
旅行前日、ちゃんと律儀に、私は彼女に電話した。
なるべく、彼女の緊張をなくしてあげたかった。
もちろん、一緒に旅行に行きたい。
でもそれが叶わない今回は、傍らで、できるサポートに徹するしかない。
彼女は、とりあえずは元気に、旅立っていった。
飛行機に乗り込む直前まで、メールを続けた。
★★