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最終更新の27から一年が経ってしまった。
彼女には、3ヶ月前に恋人ができたけれど、「ちゃんと」私はしかるべき立場を保っている。社内恋愛だから、自分たちの関係を言える人はなかなかいないと言っていた。でも、私にだけは打ち明けた、と言った。

だから、私はやっぱりそばで励ましたり、元気を注入したり、相談に乗ってあげなきゃいけない。ほんとうの気持ちを殺して。彼女が幸せになってくれるのなら、それこそが良いことだから。





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こないだ職場の何名かで、野球のナイターを見に行った。といっても熱狂するほどの本格的なものではなく、ビール飲めればいーよね、みたいな感じ。

ひとり後輩も来ていた。後輩R。ちなみにRもいっとうカワイイ!ついでにグラマー。とかいってここまで言うとマジで私、女好きになってしまう‥ヤバイヤバイ。Rとは職場のスキー旅行で一緒で、あまり雪に慣れないRを助けたりしていたら急速に仲良くなった。私ボードはぜんぜんダメでも、スキーは、僭越ながらそこそこできます。

それ以来Rは何かと甘えてくる。「最近元気ないですよ〜元気プレゼントします♪♪」とかいって腕に絡み付いて上目遣いで見つめながら念気を送ってくる。おいおい‥やめなさい。どぎまぎ。





ナイター観戦のとき、5月でも気温がかなり下がって、彼女やRはじめ、女性陣はかなり寒がった。男の先輩も一緒にいたけれど寒さについては全然ジェントルではなく、「もっと飲んだら体温あがるでしょ」とかいってイケてない発言。

試合の盛り上がりの頃合いを見計らって、私は席を立って売店へ行った。コーンスープを買って戻り、いよいよ盛大に寒がっている、彼女とRのもとへ。後ろからカップを差し出した。






二人は、とても喜んでくれた。‥くれた、のだが。





「●●さんって、やることほんとイケメンですよね〜!!」

とR。


なななんですと!?


ちょっと待てR‥




「んもう付き合いたい女性No.1!!」



‥‥R‥‥。
私はどう返せば良いの‥






そうしたら

「うんうん、付き合いたい♪付き合って〜〜〜」

と彼女。





きっつ〜〜。

きついぞ。

このボディーブローは‥。


一緒にいた女の先輩も「確かに〜!No.1!」とかいって同調するので私は困りきってしまい苦笑いするしかなかった。





でもまぁ、しのびがたきをしのび、あくまでもさりげなく彼女を守れられたら、それもまた嬉しいことだ。


どうか彼女にますますの幸福が、来ますように。

無宗教だけど、今回ばかりはお祈りする。


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