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私はこれまで
普通に、恋愛をしてきた。
普通に、男性とお付き合いをしたりしてきた。
ただ
恋愛に溺れることはなかった。
彼がいても
自分の時間は必ず持ちたかったし
むしろ
自分の時間こそ一番大切にしてきた気がする。
彼が会おうと言っても
その次の日が論文の提出日だったら
その次の日が大切な打ち合わせのある日だったら
迷わず一人になることを選んだ。
男兄弟が多いから
男まさりになってしまったのかもしれない。
彼と別れても
特にくよくよすることなんて一度もなかった。
淡白だった。
「○○ちゃんはいいね」
知り合って1年も経たない頃、
彼女はよくそう言った。
自分が恋愛にのめり込むタイプだから。
だから私の淡白さが羨ましいという。
でも
今
言えることは
それは本当の恋愛じゃなかったから。
きっと、
そういうことなんだと
最近になって思う。
自分のことばっか優先して
都合のいいときに優しくしてもらって。
当時はそんな自分をどうとも思わなかったけれど
今は分かるんだ。
だって私は‥‥‥‥。
「会いたい」と言われれば
すべてを放り出して飛んでいくし
泣いていれば
いつまでもそばにいてあげたいし
笑顔が見たい
笑わせたい
ほっとさせたい
幸せだと思わせたい
自分の都合なんてどうでもいい
自分がどう思われたっていい
悪者になってもいい
自分はどうなってもいいから、
私は彼女のためなら何だってできる。
だって私は、
あなたに本気で
恋してる。